会社の注文と稼働状況を、AIに言葉で聞けるようになった

工場の注文、稼働、在庫を、社内ネットワーク内でAIに言葉で聞けるようにした。特急は人が付けた印をもとに答える。朝の自動報告や見守り、社外からの利用は今後の構想。

画面を探す代わりに、会社の状況を聞ける入口を作った

「今、急ぎの仕事は?」とAIに聞くと、製品名が返ってくる。今日は、工場の注文と稼働状況をAIに読ませるためのスキルを初めて作りました。

急ぎの仕事をAIが決めているわけではありません。注文を管理するWebアプリで、人が「特急」の印を付けます。AIはその情報を読み、印の付いた仕事を製品名で答えます。

少しずつ増やしてきた、工場の情報

最初に記録したかったのは、プレス機の稼働状況でした。誰が、いつ、何を、何個作ったか。作業者が製品と自分の名前を選び、機械の動きから加工の記録をデータベースへ残すようにしました。

その後、注文も同じデータベースで管理し始めました。どの注文に対して、いまどの製品を加工しているかが分かります。生産した数と納品書の数から、生産在庫も追えるようにしました。最初から会社の情報が全部そろっていたわけではありません。必要になったものを、一つずつ足してきました。

データと一緒に、Webアプリも増えました。今日のショット数、時間チャージ、加工中の仕事、急ぎの注文、次に着手する候補。ショット数はプレス機が打った回数、時間チャージは働いた時間あたりの売上を見る数字です。機械が長く動かなかった時間も、画面で確認できます。

ただ、画面を作っても、ぼくが見なければ情報は使われません。会社の状況を知りたいとき、いくつもの画面を開いて探す必要があります。データを集めることも、グラフにすることも、それ自体が目的ではありません。

Webアプリにある答えを、会話から取り出す

今回作ったスキルは、自然な言葉で質問されたとき、どこから情報を取り、どう答えるかをAIへ教えるものです。Webアプリがすでに計算した情報は、APIという窓口を通してAIにも渡せるようにします。APIは、画面を開かずにアプリの情報をほかのプログラムから受け取る仕組みです。

たとえば「今、急ぎの仕事は?」という質問です。Webアプリには、人が付けた特急の印があります。AIに一から急ぎの基準を考えさせず、その印が付いた製品名を取り出して答えてもらいます。

注文や稼働に加え、在庫についてもAIへ質問して答えが返ることを確認しました。

「昨日の状況は?」と聞いた答えも、最初は欲しい内容とずれていました。質問と返答を見せてスキルを直すと、ショット数や売上、加工した製品を答えるようになりました。

聞けるようになった。その先に見ていること

今できるのは、社内ネットワーク内でぼくが質問したときに、注文、稼働、在庫の情報を取り出して答えることです。目標の時間チャージとの比較、加工数が少ない時間、機械が長く止まった時間を見るための情報も、すでにWebアプリにはあります。

次は、毎朝「昨日はこの仕事が進み、ここで長く止まった」と整理して知らせてほしい。加工中に気になる状態が出たら、そのときに教えてほしい。会社の外から「今、大丈夫?」と聞けるようにもしたい。自動報告も見守りも、外からの利用も、これから作る機能です。

数字だけを見て、「この人は怠けていた」「ここが原因だ」とAIに決めてほしいわけではありません。機械が止まっていても、段取りや検査をしているかもしれません。まず、どの仕事の、どの時間に、普段や見積もりと違うことが起きたかを知りたい。理由は、その情報を持って現場で確かめたいのです。

ぼくが欲しいのは、データを増やすことでも、画面を増やすことでもありません。会社の状況を具体的に知り、必要なときに動けることです。今日は、これまでWebアプリに積み重ねてきた情報へ、言葉でたどり着く入口を作りました。

実践・執筆M-LABO
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